こんなむくみは異常のサイン!
ふつうのむくみは、夕方にひどくなっても朝になれば引いています。
顔のむくみも、朝腫れぼったくても昼頃には元に戻っていますよね。
これが一日以上たっても戻らなかったり、全身にむくみが出たりしたら要注意です。
心臓、腎臓、肝臓などの病気によってむくみが起こることもあるので、気になる人は以下のリストをチェックしてみてください。
心臓
■心不全
心臓の働きが弱くなると、血液を送り出したり引き上げたりする力も弱まります。
そのため、むくみは心臓から遠い場所(足など)に現れます。
血液の循環がうまくいかなくなると、血管から水分が染み出しやすくなります。
また、静脈の回収する力も弱まるためむくみます。
腎臓
■急性・慢性腎不全/腎炎
腎臓の尿を作る働きが弱り、水分が排出されにくくなります。
その結果、皮下組織に水分がたまってむくみます。
■ネフローゼ症候群
腎臓からタンパク質(アルブミン)が尿の中に出てしまう病気です。
血管の中のアルブミンが減少すると血液が薄まり、血管外にもれやすくなります。
血管外(皮下組織)の水分量が増え、回収が追いつかなくなってむくみます。
肝臓
■肝硬変
肝臓の障害によって細胞が大量に死んでしまい、肝臓の中に繊維が増えて硬くなった状態。
タンパク質を作る働きも弱くなり、なかでもアルブミンは作られなくなります。
そのためネフローゼ症候群と同じ状態になってむくみます。
腹水を伴うことも。
甲状腺
■甲状腺機能低下症(橋本病)
甲状腺ホルモンが少なくなる病気です。
「粘液水腫」という全身のむくみを伴います。
特徴は、むくんでいる部分を押しても痕がつかないこと。
皮膚の乾燥、便秘、倦怠感などを伴います。
■甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
甲状腺機能低下症とは逆で、甲状腺ホルモンが多すぎる状態です。
一時的にむくみが強くなることがあります。
動脈
■急性動脈閉塞症
急に動脈が詰まり、血が上手く流れなくなります。
血管から水分が染み出してむくみます。
むくんだ部分に急激な痛み、冷え、腫れを伴います。
■深部動脈血栓症
動脈が血栓でふさがれて流れなくなる症状です。
血液がうまく流れなくなり、むくみます。
静脈
■静脈瘤
皮膚に近い静脈の逆流防止弁が壊れて静脈血が逆流する病気です。
女性に多く、原因は妊娠、立ち仕事、遺伝など。
深部静脈で弁が壊れている場合は深部静脈弁機能不全症といいます。
足ににうっ血によるむくみが現れます。
原因は外傷、手術、静脈内へのカテーテル挿入など。まれに先天性の場合もあります。
■深部静脈血栓症
深部動脈に血栓ができ、下半身に血液がたまる症状です。
はれ、強い痛みを伴います。
太い静脈を迂回するために皮膚に近い静脈がふくらみ、静脈瘤(コブのようなもの)ができる場合も。
合併症として、
・色素沈着
・うっ血性皮膚炎
・血栓性静脈炎(静脈瘤に血栓ができ、皮膚の赤み、熱、痛みを伴う)
・皮膚が硬くなる
・皮膚潰瘍
があります。
皮膚炎でかゆいところを掻いてしまうと、傷ができて治りが悪く・傷が大きくなってしまいます。
そのほか
■特発性浮腫
原因不明のむくみ。朝晩で体重が1.4キロ以上増減する人は疑ったほうがいいです。
下肢、顔面、手に慢性的なむくみができ、長い間おさまりません。
気温上昇や立ち姿勢で悪化します。
頭痛、倦怠感、うつ状態を伴う場合もあります。
■肺塞栓症(エコノミークラス症候群)
飛行機などの狭い場所でじっとしていると、静脈血がよどんできます。
よどむと血栓ができてしまうことがあります。
乗り物を降りて歩き出したときなど、動いた時に血栓が肺に流込み、肺の血管が詰まった状態です。
飛行機、バスなどに長時間乗る場合は対策が必要です。
>>機内でのむくみも参考にしてくださいね。
以上、文章と漢字ばかりですが代表的なものを挙げてみました。
少しでも異常を感じた場合は、すぐお医者さんにかかりましょう。
次のページでは、全国のむくみ外来のある病院を一覧にしました。
>>むくみ外来のある病院一覧